限界オタク大学生の映画感想ブログ

限界大学生の映画感想ブログ。ドラマやゲームについても。記事にネタバレ含みます。

『月の満ち欠け』(2022)CMで「泣ける」と推していた割にはホラー映画。田中圭は相変わらず怖いとして、新人目黒蓮も上手かった

原作:佐藤正午『月の満ち欠け』 監督:廣木隆一 出演:大泉洋 有村架純目黒蓮田中圭ほか

 

(この記事は公開時に書いたものです)

『映画 おそ松さん』を観て、ドラマ『silent』も観たからこれも観た。『舞いあがれ』は脚本家変更により連日反省会タグで盛り上がっていた、桑原脚本の映画みたいな作りから一転してチープな恋愛ドラマへ。高級な恋愛ドラマでもないしそもそも恋愛を求めてないから、面白さが激減した。航空学校編が終われば桑原脚本に戻るみたいなので楽しみ。というか、専門性の高い航空学校だから脚本家を変更してるのに、何で古い恋愛ドラマになったのか疑問。離婚話も特に必要なかったし。そのせいで水島学生の努力とか全然描かれないまま終わった。吉田学生くらい?かな。柏木学生は「舞ちゃんと付き合ってるだけのハンサム」になってきた。柏木学生の持つほとんどの要素が目黒蓮単体で補えている。

対して『silent』は映画みたいなドラマ。桑原の舞いあがれと同じく、芸術的だった。木曜日に本編観て、また次の日に2回観る。それくらいに面白い。文句はありません。silentでは中途失聴者の青年を、舞いあがれでは堅物でヒロインと付き合った男を演じた目黒蓮。今度は有村架純と不倫する大学生を演じていた。

 

あらすじ

全てが順調だった小山内の日常は、愛する家族を失ったことで一変する。深い悲しみに沈む小山内のもとには、三角という男が訪ねてくる。事故の日、小山内の娘は自分に会いに行こうとしていた、そして彼女は「瑠璃」という女性の生まれ変わりなのではないか、と語る。

 

以下、ネタバレあり感想

宣伝のやり方をミスったのか、思惑通りかは分からないが、ただのホラー映画だった。心霊とかではない、人間のドロドロとした狂った愛情と、生まれ変わりの恐怖。前者は田中圭演じる正木によって深く描かれていた。宣伝活動にはあまり参加していなかった田中圭、ちょい役かと思いきやインパクトは大きかった。生まれ変わりの恐怖については本編を観てほしい。おそらく小説の方が細かく描写されているはず、それもホラーめに。自分の亡くなった娘が誰かの生まれ変わりで、娘の親友の子供に転生しているとか、そりゃ信じられないよね~。こういう転生系見ると思うけど、瑠璃でいうところの「熱が出る前の人格」ってどうなっちゃうんだ。転生者の記憶が戻るなら、元の器を持っていた心の持ち主は消滅?残酷すぎる。でも元の持ち主の人格が残ってもどうしようもないのか…本編にあんま関係ないけど、とにかくこの作品はホラーでした。恋愛?一応だけど、濡場シーンがあるのでリビング注意。

 

追記(2023年8月)

記事が眠っていたので放出しようと思う。自分の心を信じる

『俺たちハングオーバー! 史上最悪のメキシコ横断』(2014)横断なんてしてない、邦題の被害者。ただとにかくアホやってた映画

原題『Search Party』監督:Scot Armstrong  脚本:Mike Gagerman、Andrew Waller 出演:T.J.Miller、Adam Pally、Thomas Middleditch

クリステン・リッターが出てるから、という理由だけで鑑賞した。主演はT・J・ミラー、『デッドプール』シリーズに出演していたけど、彼は過去に暴行事件などを起こしているので今後は出なさそう。ライアン・レイノルズのことを嫌いとか発言していたし。『デッドプール3』はもうマルチバース関連のお話になるのでT・J・ミラーの出る幕はないということかな。能力持たない組で言えば、ヴァネッサとタクシーの運転手は出てほしい。話が逸れた。鑑賞当時は『ジェシカ・ジョーンズ』にハマっていたというのもあって楽しみにしていた。B級映画に触れてこなかったし、コメディもあまり観てなかったから。感想は後で言うけど「とてもアホしてる」映画だった。これはアホを動詞として使っていいくらいに。本家『ハングオーバー』を観てないから、本家がどれくらい凄まじいのかは分からない。

 

あらすじ

ナルドの結婚式に乱入した親友のジェイソンは、ナルドの愚痴を本心と捉え、恋人に大声で伝えてしまい結婚式は台無し。恋人はブラジルの方へ行ってしまった。ナルドは恋人を追いかけるも、途中で衣服を失い全裸になる。親友2人は、ナルドのためにブラジルに向かうも事件が多発。一方、色々な場所で助けを求めながら進み続けるナルドは、全身に麻薬を浴びてしまい……

 

以下、ネタバレあり感想

本当にアホな奴らがハングオーバーしてた。あとメキシコは横断してない、タイトル詐欺もいいところ(別に邦題に真面目さは求めてないけど)。本人は楽しそうだったのでいいと思います。スパイダーマンの黒人の方の先生が出て興奮したのはある。それだけです。クリステン・リッター、よかったね。T・J・ミラーを見る日はもう無さそうです。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)負け犬の集まりは最強だった、憧れの人と同じくダンスで世界を救うお話

原題『Guardians of the Galaxy』監督:ジェームズ・ガン 脚本:ジェームズ・ガン、ニコール・パールマン 出演:クリス・プラットゾーイ・サルダナデイヴ・バウティスタほか

 

先日『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル』が配信され、面白かったので1作目も改めて観ることにした。監督はDC映画のトップになったジェームズ・ガン、『スーサイド・スクワッド』もまだ観てないな…邦題を正しく書けないのでこの表記で許してください。

【あらすじ】

幼くして母を病で失ったピーター・クイルは、ヨンドゥとかいう宇宙人に連れ去られてしまい、宇宙一の盗賊となった。一方で凶悪なサノスの娘であるガモーラは父のやり方に疑問を持ち離反。インフィニティ・ストーンと知らずに手にしたピーターと、石を取り返したいガモーラ、そこにアライグマと木と刑務所で耳を素通りする男が加わり、宇宙一のアウトロー集団となる。

 

 

ここからネタバレあり

【感想】

悪い冗談が多い中でも人の死が鮮明に描かれている作品。「良い人だな」と思ったモブは大体消える。ザンダー星の上司は押しつぶされたし、ラヴェジャーズのモブも消えた。クレグリンが生き残るのは知ってたけど。もはやこれは戦争なので致し方ない。そういえば戦争を取り扱ったMCU作品って意外と多いよね。最近でいうと『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』か、あれも死傷者出してた。またはPTSDも描いた『パニッシャー』も。『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』もウルトロン軍隊が怖かった。

また、MCUに深い宇宙の要素を加えた画期的な作品であるようにも見えた。『マイティ・ソー』シリーズはアスガルドと地球(九つの世界)が舞台で、他にある星とかがよく分からなかった。『ラグナロク』でやっと他の星に触れられたけど、それまでは神話の中に存在する神程度。今作ではガッツリ宇宙に触れられていた。

カラフルな肌の色が存在する宇宙人、例えばザンダー星の男はピンク肌の人と結婚し娘もいた。彼は白人だがザンダー人(とは限らないけど)で妻は別の星の人だろう。異文化というか異星人同士の結婚をサラリと垣間見ることが出来るの良いね。ずっと家族について書いていたから尚更。

ハートフルで家族団欒を描きつつも、ジェームズ・ガンのブラックジョークもてんこ盛り。ケヴィン・ベーコンを引き継いだ(?)のも昔は笑っていられたけど、今は泣いてしまう。ホリデースペシャルを観たからかな?

Vol.3ではロケットの死がほぼ確定しているし、ガーディアンズは解散するだろう。この中でMCUに残り続けるキャラはいるのかな?個人的にはグルート、クラグリン、ネビュラ、マンティス、ドラックス辺りには残ってほしい。単純に他のキャラとの絡みを見たい。マンティス×スパイダーマン、ソー×グルート、クラグリン×ウォンとか見てみたい。あとはWhat Ifでしか観れないかな、できることなら神聖時間軸。まぁガーディアンズ3観れるのなら何でもいい。ジェームズ・ガン解雇騒動をリアルで見てきた奴らだ、面構えが違う。

 

『映画 おそ松さん』(2022)オリキャラに感情移入せざるを得ない特殊な映画。映画のテンプレ批判も多めで芸術的

原作『おそ松くん』監督:英勉 脚本:土屋亮一 出演:Snow Man高橋ひかる桜田ひより、前田泰之ほか

2021年8月上旬、あるニュースが目に飛び込んできた。それは愛の世界とかではなく『おそ松さん ジャニーズ主演で実写化』というもの。限界受験生だった自分は跳ね起きた。そしてある感情が頭の中に生まれた。

 

「絶対失敗するじゃん!!!!」

 

筆者は小6の時にアニメの『おそ松さん』一期を観ていた。下ネタがあるとも知らずに親と一緒に観ていたし、○コ松の意味を親に尋ねたりもした。そんな微黒歴史は置いておいて、あの『おそ松さん』が実写化となると流石にドン引きした。どうやっても失敗するのが分かりきっている作品じゃないかと。アニメで既にある程度完結しており、オマージュパクりだらけが売りなのに、下手にジャニーズ絡めて実写化なんて「何を狙ってんだ」となった。

 

受験のためログアウトしていたTwitterに急いでログインし、みんなの意見を見ていたが結構賞賛の意見が多かったように思えた。しかしそれはジャニーズファン側の意見、アニメファンは否定的。時間が経つと賞賛の意見も少なくなっていた。ちょっと面白かったのが、ジャニーズファン側が「うちのジャニーズが迷惑かけてしまってすみません」と言い、おそ松さんファン側が「うちの作品下品すぎてすみません」と返す。このやり取りは正直平和だなと感じたが、そういう問題ではない。

 

実写化『鋼の錬金術師』の二の舞、下手すれば互い(Snow Man・原作側)にも傷が付く。当時は実写『デビルマン』になるかも、とか言われていた。なお現在は『大怪獣のあとしまつ』がポストデビルマン枠になっていたりする。だが自分はめちゃくちゃ気になっていた作品である。何で『おそ松さん』をこのタイミングで実写化したんだろう。しかもよりによって新生ジャニーズ。何なら9人組、残り3人はオリジナルキャラクターとして映画に出演する。地雷踏みまくりじゃねぇか、何だこの作品。逆に気になってきたわ。

 

《あらすじ》

色々あって「顔が似ている」という理由で養子に迎えられることになったおそ松。しかし「顔が似てるのなら俺でもいいよなぁ」となり、6つ子の中で誰が1番優秀かを競い合う。東大を目指す者もいれば、ホストを目指す者、またメジャーリーガーを目指す者まで現れる。物語の収集がつかずハチャメチャになったところで、物語終わらせ師が登場し……?

 

ここからネタバレあり感想

 

《感想》

自身が大地雷でありながらも多方面に喧嘩売ってる作品で、その上めちゃくちゃ面白かった。喧嘩売ったものをざっと思い出すと「映画になると突然現れる豪華な設定と展開」「ループもの」「寿命もの」「劇場版用の豪華な爆発事件」「デスゲームもの」 「夢オチ」とか。そして根本的な「実写化の限界」にも触れていた。彼らはこう言う、「カツラと服装さえ合っていれば、それはもうおそ松さんだよ」と。

実はこれが伏線でもあり今回の作品のキーポイントであった。身長も体格も違う6人が、色違いのパーカーとカツラを着ければ「六つ子の兄弟」になる……とかいう設定を物語に組み込んだ。よって、それらの設定は六つ子を演じるSnow Man以外の人間にも適用される。

例えば、SixTONESにカツラとパーカーを着けてもおそ松さんだし、Travis Japanに着けても俺に着けても、服装と髪型さえあっていればおそ松さんになれる。顔なんて関係なかった。

この設定を巧みに利用して、おそ松らはラスボスを倒す。というか、ラスボスをまた別の存在に作りかえる。ここら辺のくだりは本当に面白かった。とにかくこのシーンは観てほしいので、あまり多くは語らないようにする。

「実写化なんて無理がある」と最初から認めている、というか本人も認めてるような作品が生み出したのは、とてつもない伏線と笑いと、謎の幸福だった。これは観ても失敗はしないけど、賛否両論はある。どちらかと言えば否大量。だけど個人的には今年観た邦画の中で1番好き。2位は恐らく『月の満ち欠け』になる気がする。

『インクレディブル・バルク』(2012)余裕で体調崩せる怪奇作。明日休みたい人にはおすすめの映画

原題『The Amazing Bulk』監督:Lewis Schoenbrun 脚本:Keith Schaffner 出演:Jordan Lawson、Shevaun Kastl、Randal Maloneほか

今ブログ初の記事が『インクレディブル・バルク』なの、来世で呪われそう。

最近、すぐ眠くなってしまうため長い映画が観れない…なら短い映画を観ればいいじゃない。ということで鑑賞した。2012年の怪作『インクレディブル・バルク』、原題は『THE AMAZING BULK』だから寄せに行っているのは日本だ。アメリカでは2012年公開だからアメスパに寄せたんだろう。それでも問題点があることには変わらない。軽くあらすじを語りつつ、ネタバレ豊富の記事を書いていく。既に気分が悪い。

《あらすじ》

アメリカ政府に依頼されて「超人血清」を研究していたヘンリー・ハンクは、将軍の娘と結婚したいが、将軍に怒鳴られ追い詰められる。そこで血清を自分に打ったヘンリーは、怒ると暴走する紫の巨人・バルクと化し、強盗を殺してしまったことで事態が急変する。

以下、ネタバレ注意🚧

 

 

 

 

 

《感想》

全くもって『インクレディブル・ハルク』と同じであり、全くもって『インクレディブル・ハルク』と異なる作品である。比べるのも失礼に当たるほどの奇作だったけど、何故か楽しめた。多分心が穏やかだったから。何連勤もしている最中に鑑賞したら体調を崩していただろう。バイトしてないけど

まず悪役に凄い既視感を覚えた。それで俳優さんの名前と作品を調べたけど全く知らない名前だし全く知らない作品だった。多分アルフレッド・モリーナを、ほんのり太らせた感じだから勝手に既視感を覚えただけなんだろうけど。これが本当のデジャブかな?ジャメビュとどう意味違うのか覚えてない。さておき、この悪はすげーイチャついてるし、すげーミサイル発射するし、簡単に万里の長城とか破壊するけど、いざ主人公とバトルとなると弱かった。というか、主人公はこの謎の博士と戦うよりも米軍と戦ってる時の方が長かった気もする。あまり覚えてない、脳がこの映画に関する情報をシャットアウトしようとしてるんだろう。

ベティもロス長官もいたけど、何なら今作の方がクズ度高い。ソコヴィア協定で争った『シビル・ウォー』や『ブラック・ウィドウ』よりもクズめ。1回味方に引き入れたと思ったら殺害、なので容赦なく主人公に殺されたのは良かったですね。主人公の負った代償も大きいけれど。

初ブログなのに内容薄くてごめん。これ以上書きたくないのかもしれない。次は本家『インクレディブル・ハルク』を観たい。MCU公開順リレーは完走したから、次は時系列リレーかな。